前回(『
color me shop pro のコーディング』)ではじめてショッピングカートサービスのデザインをカスタマイズしたことを書いたわけですが、僕としては結構面白かったのでもう少しいろいろと考えてみました。
ネットショップを運営する上で、ショップのシステム運用の方法はいくつか選択肢があります。
ネットショップを運営するシステムの選択肢
1.カートのASPを利用する。(
カラーミーショップ!プロ、
おちゃのこ8など)
2.ショッピングモールを利用する。(
楽天市場、
Yahoo!ショッピングなど)
3.CMSを利用する。(osコマース、ZenCartなど)
実は、ネットショップのデザインというのは、はじめてではありません。だいぶ前のエントリですが、『
OSコマースのカスタマイズ』というエントリでOSコマースについて書きました。このときはOSコマースのテンプレートを全部書き直すのに苦労していました。それ以外にもクレジット決済の設定とか、結構大変だったように記憶しています。
ということでとりあえず「3.CMSを利用する」について考えてみました。
OSコマースのカスタマイズをしたときのクライアントはそもそも楽天にショップをもっていて、新しく自社ドメインのいわば『本店』的なサイトを作りたいということでした。僕のいた会社でシステムの構築からデザインまで行うのに、ショップの規模やコストを考えてosコマースを選択したようなかんじだったと思います。僕自身CMSタイプのネットショップのデザインをはじめてだったのと、当時osコマースに関して全然資料がなくて苦労したのを覚えています。いまだに資料はなさそうですが。今だとよく「Zen Cart」のほうがよく目にする気がします。
で、実際ここらへんのCMSを使っているネットショップって多いんでしょうか?よくわからないんですが、全然目にしない気がします。おそらく日本は楽天みたいなショッピングモール形態のEコマースが発達して主流なので、
はっきり言ってOSコマースのようなCMSでサイトを作るメリットってかなり少ないように思います。
少なくともサイトの運用コストを考えただけでもCMSだと結構大変です。一番大変なのは、サーバやシステムの管理、メンテナンスは全て自分で行わないといけないですし、わからない場合に気軽に聞ける相手がいません。たとえCMSでのサイト構築やメンテナンスを専門にしている会社があったとしても、おそらくそれなりの費用がかかるはずです。発生するトラブルに対して全て自分で対応しないといけなくなるんです。
もうひとつ一番重要なのが、「
集客が難しい」ということです。というのもOSコマースでショップをはじめた場合、集客に関してはまったくのゼロベースではじめないといけません。SEOのノウハウやWEBマーケティングのノウハウがある場合はまだいいですが、全くない場合はこれまた専門の会社を利用しなければいけなくなります。やってみるとわかりますが本当に無残です。ネットショップをいろいろ見てきましたが、キーワード広告もまともに活用できないショップや、全然SEO、SEMできていないショップはいくらでもあります。
それに比べて大手のショッピングモールの場合、SEOのノウハウがなくても、熱心な営業担当者が無料で電話でいろいろアドバイスをくれます。まぁこの場合広告を買わせたいわけですが、それ以外のアドバイスも一応くれます。逆に言うとある程度WEBマーケティング全般のノウハウを持っていると、営業担当者のアドバイスはあまり役に立ちません。それでも売れ残った広告枠を安く紹介してくれたりするので、それなりに話は聞きます。
そもそもモールに出展している時点で購買率は別にして、それなりの集客は見込めます。ビッダーズなんかは出店数も少ないので、モール内での競争も比較的少ないみたいです。
ですので、集客や売上を考えた場合、かなりネットショップのノウハウを持っていないとCMSを使ったオリジナルのサイトを運用するのは難しいと思います。そしてメリットですが、僕にはあまりあるように思えません。
ということで以下のポイントをクリアできる場合のみosコマースなんかのCMSでのネットショップをするといいと思います。
1.サーバ、システム、プログラムの知識がある。
2.マーケティングのノウハウがある。
3.1と2を行う時間がある。
4.1と2がない場合にそれをおぎなう運用資金がある。
実際にはこれ以外にショップで扱う商品の知識や経営の知識も必要になってきますよね。
というよりショップ経営に専念するという意味では、むしろそういった経営、マーケティングに専念したほうがよいんじゃないでしょうか。