僕は基本的にwebデザイナーなので、iPhoneに関してもiPhoneアプリよりもsafariを使ったwebアプリとかサイトの方に興味があります。実際、いくつかwebアプリを作ったり、ページを作っているのですが、これまでのPCベースのwebデザインとは全く違います。画面の大きさから、レイアウトの作り方まで、PCサイトでも携帯サイトでもない次世代プラットフォーム用のノウハウが必要だと思いました。
まずPCサイトとの一番の違いは、クロスブラウザを意識しないで済む点と、強力なcss3やsafariのレンダリングエンジンwebkitです。クロスブラウザに関しては、iPhoneしかないので当たり前ですけど、これはとても新鮮です。cssにしてもjavascriptにしてもPCサイトの場合かならずブラウザ間の差分を埋めるコードを書く必要が出てきます。cssならハックだったり、javascriptだったらjQueryやprototype.jsのようなフレームワークですね。iPhoneの場合は全て同じブラウザなので、そこにとられていたリソースが全部解放されます。感覚的にはフルFlashのサイトを作っているのに近いかもしれないです。
もうひとつがcss3とwebkitです。正直webkitが何なのかイマイチ理解できていませんが、とにかくwebkitがもたらす表現力は強力です。
この動画ではcoverflowをsafari内で実現しています。
以前にもいくつかエントリにしました(
僕メモ | iPhone 海外のWebアプリ、
僕メモ | iPhoneでRIAするには)これらもみんなcss3とwebkitで実現しています。iPhoneのjavascriptがはやく感じるのもwebkitの処理速度の恩恵を受けているんですね。PCサイトで凝ったサイトやデザインの洗練されたサイトを作るにはFlashとCSSが標準でしたが、iPhoneではjavascriptとcss3とwebkitです。
そして、実はこれ次世代モバイルプラットフォームの標準でもあります。iPhoneだけでなく、Googleのすすめる「Android」も、Linuxベースのオープンソース携帯OS「LiMoプラットフォーム」も、最近のノキアのスマートフォン用ブラウザも、実はみんなレンダリングエンジンにwebkitを採用しているんです。ノキアと言えば、今年6月にsymbianを買収してSymbianファウンデーションを始めましたね。。そうなんです、次世代モバイルブラウザの標準は完全にwebkitになります。日本の携帯ブラウザの標準がwebkitになるのもそう遠くはないと思います。
第1回 iPhoneとAndroidがケータイ業界にもたらすインパクト:ITpro
一足お先にAndroid体験をしてみた − @IT
Windows CE版のWebKitが登場 | パソコン | マイコミジャーナル
僕は完全にこっち側に移るつもりです。
2008.9.3 追記
Google、ついに自社ブランドのブラウザ「Google Chrome」を公開へ - GIGAZINE
「Google Chrome」はAppleの「Safari」で用いられている「Webkit」というレンダリングエンジンを採用しており、Webアプリケーションをオフライン状態でも使うことができる環境をブラウザに付与する技術「Google’s Gears project」にも対応しているとのこと。
GoogleのブラウザもWebkitだそうです。